コラム

労働時間と収入は比例しない

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約80%のサラリーマンは時間給

今この記事をご覧になっている皆さんの多くは、会社にお勤めになっているのではないでしょうか?

日本のサラリーマンは全体の約83%とするデータがあります。

ではこの83%の皆さんと、皆さんの会社の社長では

一体どちらが多くの収入を得ているでしょうか。

おそらくほとんど全ての会社で、従業員よりも社長の収入の方が高いはずです。

では、会社で一番多くの収入を得ている社長は

皆さんよりも多くの残業をして、日々あくせく働いてその収入を得ているのでしょうか。

答えは「No」です。

サラリーマンの時給は1500円未満!?

サラリーマンの給料は「年収」で語られることが多いですが

時給換算してみたらいくらになるか、計算してみたことはありますか?

学生のための社会人準備応援サイト「マイナビ」に

サラリーマンの給料、時給換算するとなんと平均「1486円」→半数以上が「割に合わない」

という面白い記事がありました。

この記事によると

サラリーマンの給料を時給換算した場合の平均額は「1,486円」だそうです。

ただしこれは平均額であって、ボリュームゾーンはもっと低いようです。。Σ(゚д゚lll)

①1,000円以下      37.6%   時給1,000円以下がなんと!約4割!!
②1,001円〜1,500円  31.8%
③1,501円〜2,000円  20.0%
④2,001円〜3,000円    5.4%
⑤3,001円〜4,000円    1.6%
⑥4,001円以上                 3.0%

この数字が意味することは何でしょうか。

私はまず初めにこんなことが頭をよぎりました。

「これって、サービス残業は当然含まれていないんだろうな。。」

もし本当に含まれていなかったら、もっと時給額は低いということですもんね。。

試しに自分がサラリーマンの頃にもらっていた給料を当てはめてみると

タイムカードの時間で計算すると「④2,001円〜3,000円」ですが、

実労働時間に換算すると「③1,501円〜2,000円」まで落ち込みました。

全国平均の数字でしょうから、私の場合は比較的給料の高い地域なのでよく見えますが

それでも夜勤等のバイトとそんなに大差がないという結果になりそうです。

むしろ満員電車通勤、サービス残業、人間関係のストレス等、日々の心労を考慮すると

社会保険を考えてもバイトの方がマシじゃないか・・・と思われた方も多いのでは。

私は学生時代にアルバイトの掛け持ちで月に40〜50万円稼いでいたこともあり

今になって冷静に考えてみれば、無理して会社員になる必要なんてなかったのかもしれません。

現代のサラリーマンは古代ローマの奴隷以下!?

ローマ

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私がサラリーマンだった当時、毎日満員電車に揺られて通勤をしていました。

東京の朝のラッシュは他のどの地方とも比べ物になりません。

「電車内で足が浮いてた」というのも大袈裟ではない程にギュウギュウです。

電車が到着すると待っていた人がドッと乗り込みますが、

これでもかぁ!!という位に皆タックルで押し込んでくるのです。

車掌さんも手伝って無理矢理押し込んでドアを閉めて「発車オーライ!!」って

何がオーライなんだかさっぱりわかりません。人、潰れてますから。。

その電車を見て私はいつも「奴隷輸送列車」だと思っていました。

その輸送列車が嫌で嫌で、会社帰りはよく小一時間かけて徒歩で帰宅しました。

こんな生活がいつまで続くのか・・・

考えても無駄と諦めてしまう日もありました。

古代ローマの奴隷の中には5年で労働者階級から経営者階級になる者も

古代ローマの奴隷は

映画「テルマエロマエ」に出てくる奴隷のイメージとは違い

当時の奴隷たちはいわゆる労働者階級のような存在だったそうです。

労働のスタイルも肉体労働のみならず、

教師や会計士、医師は多くの場合奴隷が従事する職業だったとか。

【古代ローマの奴隷とサラリーマンの共通点】

最低限の衣食住は与えられる

頑張れば報酬が上がることがある

時間(労働力)を提供している為、自分の時間は極端に少ない

なかなか奴隷(労働者)階級から抜け出すことはできない

働き過ぎて命を落とすことがある

主人(雇用主、上司)の言うことは絶対

古代ローマの奴隷と現代のサラリーマンにはこの様な共通点があるようですが

古代ローマの奴隷は真面目に主人に支えていると

早ければ5年程度で解放されローマ市民(現代でいう経営者階級以上)になることができたそうです。

古代ローマでは、市民が労働によって報酬を得る職業を

身分や地位が低いものとみなしていた為、奴隷の労働は重宝され大切にされていたのです。

一方、現代のサラリーマンの多くは

まるで使い捨てカイロのような使われ方をされている人も多いのではないでしょうか。

(ローマの奴隷のように)5年どころか、40年以上働いても裕福にはなれない

職を選ぶ自由はあるが、実際には転職もなかなか厳しいことが多い。

一生涯「月給」という時間給で生かさず殺さず、労働者階級に閉じ込めておく…

そんな教育や仕組み作りがされているんじゃないかとすら思えてきます。

あ、でも参政権があるってところはローマの奴隷と大きく違う点ですね笑

(行使してない人も多いですが。。)

もしかしたら、まだ高校生や大学生の方も見ているかも知れないので、

日本の80%以上の人が自らの意思で選択するサラリーマンに課せられた掟について

アンサイクロペディア「サラリーマン」より一部抜粋してご紹介します。

ご一読を。(かなりふざけて書かれていますが、あながち嘘でもないんです笑)

サラリーマンには厳しい掟があり、これを守らないと解雇されたり、罵倒されたり、給料がもらえなかったりするので必ず守る必要がある。

  • どんなに眠くてもとりあえず会社へ行く事。
  • 少しぐらい体調が悪くてもとりあえず会社へ行く事。
  • 体調が悪くてぶっ倒れそうでもとりあえず会社へ行く事。
  • 間に合いそうもないときのために、言い訳を最低50個は考えておく事。
  • 明日は起きられそうもないなと思ったときは、前の日から咳をしたり、息を止め顔を真っ赤にして体調が悪いのをアピールしておく事。
  • 長時間残業が続いても、残業手当がもらえなくても上司に文句を言わない事。
  • 上司がサル以下の知能の持ち主でも、上司の言った事に絶対に反抗しない事。
  • 上司が誘う飲み会の1次会には必ず出席する事。
  • 上司がジャイアンのような下手くそな歌を歌っても、盛大な拍手をする事。
  • 上司の歌うレパートリーを覚え、絶対カブらない事。
  • 上司とゴルフに行った際は、絶対に上司より良いスコアで回らない事。
  • 俺が食わしてやってるんだと思っていた奥さんに、所得で抜かれる事も想定して同じように接する事。

階級

社内での階級は、社長>社長の親族・愛人>取締役>受付嬢>お局さん>美人社員>サラリーマン>ブスが基本

時間(労働力)を売っている限り、必ず限界がやってくる

古代ローマの奴隷の様に一生懸命に働いたとしても

現代のサラリーマンは経営者階級へと上り詰めることはできません。

ウォール・ストリートのトレーダーの様な超高給取りでしたら話は別ですが

残りの99%のサラリーマンは、このまま会社のために必死に働いてもお金持ちにはならないでしょうし

「よし、君はよく頑張ってるからこの会社あげる。」

ともなかなかならないでしょう。

労働収入とは何か

労働収入は、自分が働いた分(時間)だけの報酬を受け取ることができます。

しかし、もちろん一人の人間が毎日健康的に労働できる時間は限られています。

労働収入=自分の時間 × 価値(労働力)

芸能人やスポーツ選手は、自分一人で作り出す価値は、自分にしか作り出せないから高くなりますが

一般人が作り出す価値は残念ながら他にも代わりが効く場合が多く、価値は低いままです。

武井壮さんは人の「価値」について、この様に定義しています。

価値 = 人が求める数

自分自身の価値を高めようと思ったら

人に求められる存在にならなければならないということです。

つまり、労働収入で得られる賃金とは

自分の時間 × 人が求める数

ということができるのではないでしょうか。

会社でのお給料を上げようと思ったら

自分の時間を差し出すか、人に求められる人になる必要がありますが

問題は、あなたが

「あなたを適正に評価し、あなたを必要としてくれる職場」

を見つけることができるかどうかです。

その為、労働収入の醍醐味でもありまた難しいところでもあるのは

自分の収入を決める要素として必ず他人の評価が影響する

ということです。

「人間の悩みは全て人間関係の悩みである」

と言ったアドラーの言葉が真実だとすれば

会社という組織はストレスを生みやすく、収入を上げにくい場であると考えることもできそうですね。

人と協力して何かを成し遂げることは本当に素晴らしいことです。

しかし、「お金を稼ぐ」ことと「他人と一緒に何かを成し遂げること」は、

本来それぞれ別に考えるべき事のはずです。

投資の概念

労働収入とは

自分の時間 × 人が求める数

であるということは前述の通りです。

ではFXをはじめとする投資の利益はどの様に考えられるのでしょうか。

経済学者が応えるような「正解」はわかりませんが

私の経験上、次の様に考えることが出来ると考えています。

時間 × お金

サラリーマン的労働では、自分自身が労働するのに対し、

投資家的な稼ぎ方ではお金に働いてもらうという考え方になります。

「投資」とは本来、資本が身体であれお金であれ

それを資することによって利益を得る活動を指します。

つまり、

サラリーマン的思考では「身体が最大の資本」と考えるのに対し、

投資家的思考では「お金こそが最大の資本」と考えているのです。

何かを得るためには、代償として何かをリスクに晒さなければなりません。

サラリーマンは自分自身をリスクに晒し、投資家は自己のお金をリスクに晒しています。

自分自身の身体とお金、一体どちらが大切ですか?

その大切な資本をリスクに晒すことに見合ったリターンを得ることは出来ていますか?

まとめ

AIによって「頭のいい人」の仕事から奪われる

AI等の新しい技術の著しい進歩が

労働者の労働力に取って代わる日は近いと言われています。

そうなった時に会社は「今まで必死に働いてきたから」と、

あなたの衣食住、身の回りの面倒を一生涯見てくれるでしょうか。

古代ローマの奴隷階級からローマ市民階級へと引っ張ってくれるでしょうか。

今まで自分の時間を売ることによって価値を提供してきた労働者は、今までの様に働くことができなくなります。

特にホワイトカラーの仕事のほとんどはAIに任せることが出来るようになるでしょう。

「頭のいい人」達が就いていた職業

医者、弁護士、税理士、会計士等の職業は、より早く消滅するとも言われています。

相場の世界は大丈夫か!?

トレーダー業にもAIが参入し始めていますが、相場は人間の様々な思惑が動かしています。

しかしAIが相場のすべてを支配することになったとしたら

そもそも変動相場自体がなくなっているのでしょうが、その可能性は低いでしょう。

何故なら

AIが利益を上げたとしても、それは自分が負けたことにはならないからです。

相場を動かしているのは多くのトレーダーであり、1対1の勝負ではないからです。

投資が生み出す利益は「お金」だけじゃない

仕事が自分の人生に対する「投資」であるならば

今までの「労働力」を基に利益を得る投資から

徐々に「お金(資本)」を基に稼ぐ投資へシフトすることによって

時間的にも経済的にも、ゆとりが生まれるでしょう。

普通は「働くこと」と「お金を稼ぐこと」を同じと考えることと思いますが

私は働くこととは本来、人に喜んでもらうことだと思っています。

その結果としてお金をもらえてももらえなくても

自分の行いで家族が喜んでくれたら、自分も嬉しいじゃないですか。

困ってる人を助けて「ありがとう」と感謝されたら、嬉しいじゃないですか。

それが本来の「仕事」の意味なんだと、私は思っています。

でも現実はそんな綺麗事じゃありません。

それはわかっています。

だからこそ、「仕事」「お金を稼ぐこと」は切り離して考えるべきなのです。

現代の日本社会を生きてゆく程度のお金を投資で稼ぐことは、誰にでもできると思っています。

ただし、本気で取り組んだ人だけが得られる能力なんだと思います。

正直、皆さんが思っている程甘い世界ではありません。

一瞬の気のゆるみが、資産をすべて奪い去ってゆくこともあります。

でも、そこまで怖がる必要もありません。

シンプルに学び、シンプルなことをひたすら継続する

必要なのはこれだけなんです。

そして労働時間と収入は反比例する

AIが「サラリーマンの仕事」を奪う時代がやってきた時、

世の中の投資家的思考を持った人々は

今よりも少ないコストで、今よりももっと多い利益をあげていることでしょう。

投資家たちは相変わらず相場の世界で

「学ばざる者」達がこぼすお金を拾い集めていることでしょう。

莫大な利益をあげ続ける彼らが自らの手を動かす時間は

もちろん「サラリーマン」よりも、ずっとずっと少ないはずです。

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